起業の平均年齢
起業を考えるときに気になるのが、「すでに起業している人たちは、何歳くらいの時に起業したのか」ということだと思います。
ここでは、日本における起業の平均年齢などについて見ていきましょう。
日本の起業の平均年齢
2018年7月に実施された、日本政策金融公庫総合研究所が毎年行っている「新規開業実態調査」の最新の調査によると、起業・開業時の平均年齢は「43.3歳」で、1991年の調査開始以来、最も高い数字になっています。
起業の割合を年代別で見ると、
40歳代が「35.1%」と最も高く、
次いで30代が「31.8%」、
29歳以下は「6.9%」となっています。
40代は、社会人として20年ほどの実務経験を積み、自己資金にもある程度の余裕があるため、起業に踏み切りやすいところがあると考えられます。
起業の男女比では、男性が「80.1%」、女性が「19.9%」です。
女性の割合は調査開始以来過去最高となっており、女性の起業意識が高まってきていることもうかがえます。
アメリカの場合は?
では、起業大国とも言われるアメリカではどうなのでしょうか?
MBA(経営学修士)の名門であるノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院が昨年に発表した起業の平均年齢についての研究によると、
2007年から2014の間で、少なくとも1人以上の従業員を雇用した起業家(約270万人が対象)の平均年齢は「41.9歳」でした。(レストランやネイルサロンなどのスモールビジネスも含む)
ここからさらにハイテク系の成長性の高いベンチャー企業に限定すると、平均年齢は「45歳」になるようです。
日米どちらにおいても、40代が起業の主力であることがわかります。
人によって起業のベストタイミングは違う
日米における起業の平均年齢について紹介しましたが、あくまでも“平均”であり、人によって起業する年齢はバラバラです。
その人にとってベストなタイミングというのがあるので、一概にいつが良いのかは決められない部分があります。
たとえば、日本で活躍している起業家を見てみると、
ZOZOで有名なスタートゥデイの前澤友作氏は22歳
ソフトバンクの孫正義氏や、サイバーエージェントの藤田晋氏は24歳
楽天の三木谷浩史氏も32歳
で起業しています。
また、特に昨今は、IT技術の急速な発展や、起業支援のエコシステムが増えてきています。
そのため起業へのハードルは以前と比べて格段に低くなっており、20代30代の若い世代にも成功へのチャンスが広がっていることは確実です。
最近では、中高大学生が起業にチャレンジして成功しつつある事例や、20代・30代で会社を上場やバイアウト(売却)させるような事例などがメディアで取り上げられることも多くなってきました。
知識や経験の面の不足を、体力やチャレンジ精神で補えるのも若さゆえの武器です。
その意味で、若くして起業することも、経験を積んで40代以降から起業することも、どちらにもメリットとデメリットがあると言えるでしょう。
起業はあくまで自分のビジョンや思いを実現する“手段”です。
「どうしてもこの事業をやりたい」という思いが湧いてきたときこそ、起業のベストタイミングなのかもしれません。